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伊豆に住み、八ヶ岳を巡り「空と森と水」の美しい風景を求めて・・・。 自然に包まれて暮らそう!---Martinのフォトエッセイ
by martin310
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三島さんのアッカンベー事件

三島さんのアッカンベー事件_a0282620_19451372.jpg

▲下田東急ホテルの庭からの伊豆の海の眺め(中央の三角の島は赤根島)


◆下田にゆかり深い三島由紀夫

三島さんのアッカンベー事件_a0282620_19563667.jpg三島さんが昭和39年から自決の年の45年までの7年間ものあいだ、毎夏家族と一緒にその頃オープンしたての下田東急ホテルに逗留し、伊豆の夏にいそしんでいたことは、横山郁代著『三島由紀夫の来た夏』を読むまで知りませんでした。

この本には、あの巷の三島像とは違う、くだけた親しみのある三島さんが生き生きと活写されています。深刻な論評調の本がほとんどのなか、家族思いで、人懐っこく、ときにおちゃめでマドロス的な三島さんが下田の町を自分の故郷のようにして闊歩している姿がこの本にはあり、ジャーナリズムの脚光をあびる小説家や前衛的な盾の会の三島像を容易に撃破してしまうような驚きと安堵があります。

三島さんのアッカンベー事件_a0282620_195708.jpg三島さんはホテルから下田の町に出て、ペリーロードを越えたあたりの角にある日新堂菓子店のオリジナル洋菓子、マドレーヌとレモンケーキが大のお気に入りだったようで、滞在中は何度となく訪れては、箱ごと買っていくことが多かったようです。
『三島由紀夫の来た夏』の著者の横山郁代さんは、この店の娘さんで今も店を引き継ぎ、2階のレストラン・ポルトカーロも営んでいます。
去年、この本を読んだ後、この店を訪れ、横山さんともお話をしました。
そこでは、横山さん宛てに来た桑田佳祐氏のこの著書についての手紙を見せてもらったり、桑田さんが心酔している三島さんについてのスピリチュアルなお話に花が咲きました。


三島さんのアッカンベー事件_a0282620_1958791.jpg

       ▲三島さんがお気に入りだった日新堂菓子店


三島さんのアッカンベー事件_a0282620_2052223.jpg

       ▲日新堂菓子店のオリジナル菓子、マドレーヌのポスター


◆三島さんのアッカンベー事件

三島さんのアッカンベー事件_a0282620_2016698.jpg横山さんの本には、三島さんの人柄を思わせる愉快なエピソードがいくつも記されていますが、中でもその白眉は三島さんとの最初の遭遇時のアッカンベー事件のほかないでしょう。
今回は、その現場を実際に下田の町から歩いて、当時の面影を偲んでみました。

下田東急ホテルの海側の入り口は鍋田海岸にありますが、三島さんは当時、その車道を使わずに、鍋田トンネルを越えたところにあるプライベートなホテルへの小径を使っていたようです。
人ひとりしか歩けない細い道は、ジグザクの階段を登り、ホテルのプールに続いています。さらに坂を登るとホテルの前庭に出ます。ここは伊豆の海を臨む最高のロケーションを持っています。この海を眺めながら、晩年の作を完成させたのでしょう。

では、三島さんのアッカンベー事件を横山さんの著作からご紹介しましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

三島さんのアッカンベー事件_a0282620_2017528.jpg あの日の三島さんは、ちょっとメッシュがかった黒いシャツに細身の白のトラウザーと白い靴を履いていた。強い日差しの中でその白さが目にしみるようだった。・・・・・・(略)
 三島さんは宇宙人的オーラを発散させながら1メートル四方に入れない近づきがたい雰囲気を漂わせていて、だからこそ私たち中学生に、もっと近づきたい、追っかけてみたいという気にさせたのかもしれない。・・・・・・(略)
 三島さんはいま、大浦荘旅館の前を過ぎて鍋田浜の方へ歩いてゆく。私たちは忍者のように追っていった。でもいったいどこまでゆくのだろう。
 鍋田浜のトンネルに入ったので少し距離をあけた。見つかったら大変。ドキドキしてきた。私たちがトンネルに入ったとき、三島さんはちょうど東急ホテルのプールへの上り道を登ろうとしていた。
 そのときだった。急に三島さんが私たちの方を振り向いた。そして黒めがねを上にあげてアッカンベーをしたのだ!キャッと声を上げて私たちは後ずさりした。要するに、ずっとお見通しだったわけだ。中学生は簡単に遊ばれてしまった。
 三島さんの目はやさしく笑っていた。


                            横山郁代著『三島由紀夫の来た夏』より抜粋
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


三島さんのアッカンベー事件_a0282620_20302033.jpg

        ▲この鍋田隧道を出たすぐ右手にホテルのプールへの登り口がある。
         そこが三島さんのアッカンベーの現場。


三島さんのアッカンベー事件_a0282620_10534616.jpg

        ▲この階段を登りかけたところでいきなり振り向きアッカンベーをした。


※日新堂菓子店のマドレーヌは、通販もやっているようです。
 確かに絶品の味です。ここからどうぞ→日新堂菓子店


by Martin
by martin310 | 2012-10-11 20:39 | 文学 | Comments(2)
Commented by roseyrosey at 2012-10-12 01:50
ノーベル文学賞、決まりましたね^^
ちょうど、三島由紀夫の話を娘とした後だったので、とても興味深く
読ませていただきました。
三輪明宏さんがよく三島由紀夫のお茶目な一面を語っていらっしゃいますが
まさにその通りですね。
こちらの本も読んでみたくなりました。
本に出てくる場所を実際に歩いてみる、、、私も、こういうテーマを
持った旅は大好きです。
Commented by martin310 at 2012-10-12 09:37
roseyroseyさん、コメントありがとうございます。

そうですか、娘さんと三島さんのお話をされていましたか。
奇遇ですね。^_^

この日は朝起きると、今日はどこに?
なんて思うと、窓からの光が「下田」なんて思わせます。
で、なら、三島さんのとこだな、って具合です。

いつもそんな感じで出かけます。
そうするとコースは?なんて思うと、
いつもと違うコースで。って思って、
そうすると、川奈ステンドグラス美術館なんてとこに
吸い込まれて行くことになるんだと思います。

そんなことで、寄り道も多いのですが、
ちゃんと下田も歩けました。

伊豆はいろいろいな人のゆかりがありますので、
また少しずつご紹介していきたいと思ってます。
そうそう本に書かれた場所巡り楽しいですよね。

また寄り道してくださいね。お待ちしております。

Martin
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