伊豆に住み、八ヶ岳を巡り「空と森と水」の美しい風景を求めて・・・。 自然に包まれて暮らそう!---Martinのフォトエッセイ
by martin310
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7月の庭・・・『田園の憂鬱』を思い起こす世界


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台風のニュースから、今年の庭もこれまでか、とも一度は思ったものの、見事分散消滅してくれたお蔭で、我が庭は今のところ無傷でそのままある。あるにはあるがすべてが伸び放題の鬱蒼とした夏の庭になっている。奥の小木が寄せ集まっている船形花壇のあたりは、通り抜けるにも枝木を掻き分けながらのジャングル状態である。
梅雨から真夏の花に少しずつ様変わりして、あちこちにそのときの旬な花色が見えるのがこの時期の愉しみなる。キッチンガーデンではトマト、ナス、キュウリ、インゲンなど定番野菜が、今年の植物の生長旺盛状態からたくさんの収穫が期待できるかと思いきや、丈ばかり大きくなって一向に実の生りははかばかしくない。
漸くトマトが赤く色づいて来たので、しっかり実の詰まった果肉を食せるかもしれない。ナスもキュウリも忘れた頃にぽつぽつできる。シソは元気で、シソジュースや梅干づくりに期待がかかる。

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夏の庭というのは、植物の生長の度合いがピークを超え、勢いが途絶えただけに丈の高いものは、頭をどこかへもたげて支えを求めるように傾き、折れ、向きもまばらに乱雑の様相を呈して来るものだ。陽光に焼かれたように花も葉も萎えて、勢いのあった整然とした庭相から、雑然とした荒れた廃園のような雰囲気になって来る。
例年、その荒れた感じに堪えられなくなり、止むを得ず倒れて駄目なものを刈り始めることになる。庭の花の整理を始めると、それに似せた草の方が優勢に伸びて来る。花壇はいつしか刈られても尚も生える雑草に取って替わるように占領されていく。

そんな夏の庭の姿を見ていると、かつて十代の頃に読んだ佐藤春夫の小説 『 田園の憂鬱 』 の世界を思い出した。(内容はざっとこんな感じだが、そもそものこの描かれた世界が好きだった)
都会の生活に倦んだ文学を志す主人公は、都会の喧騒を逃れて郊外の片田舎の民家で田舎暮らしをはじめる。今どきの田舎志向とはやや異なるが、フランスの文学者が牧歌的世界への移住で作品を書き上げる如くの、ある時代性を持った文学的世界がこのような舞台設定に至らせたのであろうし、実際、作者自身が、女優の川路歌子との東京郊外の田舎での同棲生活を始めた頃のことを素材に描いた小説であったようだ。

a0282620_1538050.jpg『 田園の憂鬱 』 ―或いは病める薔薇(そうび)― が正式タイトルだ。
「荒れ果てた庭に日が全く当たらないため、蔓草のようによろよろ と雑草の中で立っている薔薇の木を見つけた主人公は、この薔薇で自分を占ってみたく思う。「薔薇ならば花開ん!」と。つまり、彼は、この痩せ細った薔薇 に、己が姿を見ていたのである。」
ということで、荒れ果てた庭に咲く病める薔薇がひとつのテーマとしての点景になる。

今もかつて読んで描いたこの小説の世界が脳裏に残っている。19そこそこの頃の自分の受け取るものでは、風趣に富んだ田舎の家での文学に耽る雰囲気だけを味わってよしとしていたものと思う。今も本棚に失くさず持っていた佐藤春夫全集を開いてこの小説を読み始めてみると、かつての若年の夢想世界だけでない、作者の描き出した人間の現実の部分の方が表現上勝っているのが解る。
読み手の置かれた人生経験上の重みを経てから読むのと、そうでないまだ青き自分が読み込む内容は、これほどにも違うものかと、歳を重ねることの意味をも含み、改めて感じ入るものがある。

だが、もうひとつ、今の自分からはこの作品の文字面を追っていくのは、読み始めの頁をめくる毎に無理を感じはじめる現実がある。やはり、現代の表現ではないこれらが、懐かしく思う以上に、あまりに描写がくどく、ごてごてし過ぎてスマートな世界を脳裏に浮かべていくことが苦痛なしろものに思えて仕方がない。
そこに登場する人物の内部や、それを書く作者の思惑や意図などがあまりに露骨に感じ取れてしまうのが、面白みを失わせていることもある。

やはり、読みたいと思える内容や感覚というものも、時代とともに確実に変化しているものだということと、自分自身の興味を持てる対象というものの変化も大いに、このような過去の作品を再読することで見えて来るところがあるものだ。

昨今、若年の頃の愛読作品をもう一度、今の意識で読んでみたいという欲求がある。当時、読みきれていないものがあまりに多いのではないかと、今、読めば、きっとまったく別物の作品観が生まれるのでは、などと思うからだ。
だが、色褪せた文庫本の棚からいくつか選んで目を通しても、やはり読み通すことはどれも不可能だ。もはや求めるものがそこにない意識が強く、回顧趣味にはまることもなく、生き々した先進の感性を感じ取りたい欲求には、とても応えられるものではない気がしてしまう。
意識や魂、過去生やカルマ、闇意識のあれこれを垣間見て来てしまうと、この世界の成り立ちの奥の奥の陰謀の存在をも暴かれつつある現在では、あまりに過去の作品は、時代が開かれる以前のものでしかない気もどこかするのだ。
それだけに、この2、3年の時代動向、人の意識の内的な変動というものは、表からは際立ってわからずとも確実にタイムシフトが起こっている気がするのである。

そんなことまで思わせる、夏の庭だった。
“田園の憂鬱”はそれだけにさらに新たに深まる我が思いだ。
田園で憂鬱を思うのは、この世界そのものの行方にほかならない。


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by martin310 | 2014-07-14 15:48 | ガーデニング
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