さて、本栖湖の岸辺で“強風ランチ”をいただいた後は、せっかくの機会にこれだけで帰るのはもったいないので、湖畔の道をのんびりサイクリングすることにした。
そう思って出掛けに、2台の折り畳み自転車をキューブに積んで来ていたのだ。以前はふつうのクロスバイクを1台は室内に、もう1台は積めないので車外の後部ドアに専用キャリアで載せていたものだが、のんびりゆっくり軽々走るには、大きな自転車はいらないと、軽量コンパクトな折り畳み自転車に替えたのだった。これなら、2台載せてもまだ半分荷室が空いているほど手軽なものだ。
スピードも、景色を愉しみながら乗るにはこのタイヤの小さな自転車の方がいい。それに運動目当てでもないので、なるたけ平地で負荷がない方がよく、疲れないのに限る。
“本栖みち“から外れた湖畔沿いのこの道は、めったに車も来ないので、のんびりゆっくり遊びながら乗るには絶好で、高低差もほとんどないので快適だ。以前は、湖を一周したこともあったが、これがなかなか素人ちゃりだーにはたいへんなもので、へとへとになって辟易したことがある。なので、今回は一番楽な区間を行って返るのみ。
で、今回は2人のほか、もう一方乗員がいて、Coleman の水玉ミニザックにご同乗いただき、一緒にサイクリングをお楽しみ遊ばされた。
お犬様は背中でごそごそ落ち着かない動きでいながら、湖畔の新緑をご覧になられていたようだ。
ワンコはもうすぐ一歳になるところだが、だいぶ体が大きくなり、ザックの中で伸び上がって前を見るので、余計に大きく見え、ジョギングしている方がまさか犬が背中にいるとは思わず、吼えられてのけぞって驚かれていた。いきなり顔の背後から白い獣顔があらわれるものだから、ちょっと一瞬恐怖だったようだ。
半年くらい前は見ると小さいのでかわいいーと見られたようだが、こうなるとちょっと怖さがあるなと、背中に背負うのもけっこうこれが限界かもと思うのであった。
でも、横から見るとわんこが乗っているのはけっこう滑稽なものだ。また、所在無げな表情が笑える。
この道は、森のトンネルのように樹木が覆っているので木陰がほとんで、この日の暑さの中でもことのほか涼しい。暑さではーはーいっているわんこも快適だったようだ。
それにしても、木漏れ日の中を風を切って走るのはとても気持ちがいい。やはり、せっかくのお気に入りの場所に来たなら、ただ少し居て帰るのでなく、こんなふうに自転車で走ってこの場にすっかり溶け込んでみるのもいいものだ。
小さな折り畳み自転車のゆっくり度が、ちょうどいい景色の変化の具合を生み出し、のんびりポタリングにいっそう深いリラックスを与える。
また自転車を積んでどこかへと、行き先選びに新たな視野が生まれる。