振り返れば、去年の12月のはじめに整地作業から開始して、毎週の休みをことごとくこのガーデンハウスの製作に注ぎ込み、漸くこの3月の末に完成の日を迎えた。
ほんの小さな小屋でこそありながら、全工程を自分の手で作るということは、それはそれは想像していた以上の労力を必要とした。
人間一人が一日に出来る工作の規模は、やってみると意外に大したことなく、掛かる時間は脳裡にあるイメージからはかなり離れていて、なかなか進まぬはがゆさに、余計に休む暇も惜しんで精を出すこととなった。
なので、休みの日の朝から日没まで、昼の休憩を挟んで、ほとんどノンストップで動いていた。
我ながら、よくも体も壊さずここまで続けてこられたものだと思う。一度も体調を崩すことなく、毎週、毎週、へとへとになるまで先を急いだ。
板葺き屋根の最終工程は、ログキャビンの屋根との接続箇所と、両サイドのケラバの処理に手間がかかった。
ログキャビンのアスファルトシングルの屋根材のすぐ下に、ガーデンハウスの屋根材がちょうど来るように、うまく高さが揃って、雨水の流れもこれでうまくいくようだ。
接点にはコーキング材で水漏れを防止した。
ケラバには、“1×4”でL型のコーナーボード状のものを取り付け、屋根材の重なりの隙間をカバーした。
鼻隠し側の端の処理は、L型のままにしたので、そこがちょっとかっこが悪いが、まあこれも予定外の造作だったのでよしとしよう。
鼻隠しと反対側の上部の隙間は、型紙を取って板取をし、うまく隙間を隠した。
屋根板貼りが仕上がった時点で、すべての屋根板の2度塗りをした。これでもう少し濃い色に変わり、全体の色のバランスがよくなったようだ。
今後、板の色も日に焼けて次第により黒っぽく変色していくだろう。
屋根の造作がすべて終わり、足場の単管パイプを解体するときには、いよいよこれで完成という、漸く辿り着いた終着点を思い、長かった今までの行程を思い出したりしていた。
何よりも、様々な時点で自分の手と頭を使ってすべての問題点を克服して来たという、積み重ねの結果が今にあるという、ひとつの仕事をやり遂げた爽快さと、ある達成感に心が満たされた感じだった。
今回の好きでやって来たこのガーデンハウスの製作を通じて感じたのは、自分はつくづくものを作ることに幸福を感じる人間なのだという、わかってはいても改めて実感を強く持った期間だったことだ。
出来上がりを求めて、ひたすら今の行程の先に進む創造性の領域に浸る愉しさというものを、この製作は与えてくれたようだ。
また次のものが待っている・・・。
―終―
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