例年、5月のこの時期、新緑が萌出て、我が家の庭の花も木も、いっせいに若葉の繁りが風にそよぐようになる。
ついこのあいだまで、冬の名残で多くの地面の露出が見えていたのに、今ではまったく緑に覆われ、まるで地面が盛り上がるように新緑が膨れ上がって来ている。ところどころに花色も見えて来て、随分と庭も賑やかになってきた。
去年の秋口からずっとガーデンハウス作りに没頭していて、そのあいだはまったく庭に手をかけることもして来なかったのに、庭の植物たちはこの機を待ち望んでいたかのように、精気を漲らして生長をつづけている。
こんな気持ちのいい季節に、庭に出て何もしないわけにはいかない。
目につくところのそこここを、思いどおりに小奇麗に整えていく。
作業が終わって西陽に輝く庭を眺めながら、やっぱり手をかければ、かけるだけのことがあるなあと、自分の手の後の結果を振り返りみる。
庭の中にいると、どうにも言いようのない深いやすらぎと愉しさのうちに、心も体も満たされていく。同時に、ありがたさで胸が満ちるのだ。
日がな一日、庭づくりの作業にいそしむということは、誰のためでもなく、何のためでもなく、ただ自然の織りなす小世界の“庭”と自分とが触れ合い、かかわりあって共にあるという時間を生きることなのだろう。
以前はその結果の出来栄えばかりに意識が向いていたが、今思うようになったのは、常に生きて変化し続ける庭を相手に、自分がそこに関わることの歓びに興じているということだと、そう感じるようになった。
それだけでいいことだし、それ以上のことでもなく、庭と共にその中に自分もあるという至福感が、庭への愛着を持たせてくれるのだろうと・・・。
▲ミニログの壁に面した箱型花壇に植えておいたブドウの苗が、ぐんぐんとツルを伸ばしはじめた。クレマチスも負けず劣らず猛然とツルの数を増やしている。
▲枕木のステップのあいだに敷いた芝は、段々青々として来た。さらに芝を追加し、青い木製ベンチの下まで伸ばして貼った。
▲キッチンガーデンには2mの支柱を立てた。例年、驚くほどツルを伸ばすので、今年は高さを確保した。まだ空きがあるので、もう何本か苗を植えるつもりだ。
▲種まきしたもう一つのスペースでは、
すでに小松菜の芽が出てきている。
豆類ももう少しだろう。
▲バラも咲き始めのものや、蕾を大きくしているものがある。新たに作ったパーゴラにからますつもりのツルバラの苗は未だ届かず、そろそろの到着が待ち遠しい。