伊豆に住み、八ヶ岳を巡り「空と森と水」の美しい風景を求めて・・・。 自然に包まれて暮らそう!---Martinのフォトエッセイ
by martin310
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皇帝ダリアが真っ盛り@中伊豆

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中伊豆の田舎道を走っていると、異様に背が高いピンクの花があちこちに咲いているのに気づきました。
高いものでは、3メートルを越すものまであります。
沿道に植えたこの花を撮っていこうと車を停め、畑にいたおばさんに訊いてみたら、なんと「皇帝ダリア」というのをはじめて知りました。

茎は手で握るほどの太さがあります。でも、太い支柱が添えてあります。
どうやら風に弱いようです。

花は全体に下向きに咲いているので、見上げるように撮らないと花が全面に入りません。首が痛くなりそうでした。
しかも、空がバックになってしまいます。もう少し正面向いて咲いてほしいのに。

「皇帝ダリア」に気づくと、あそこにもこちらにも、「皇帝ダリア」だらけのように目について仕方ありませんでした。
こんなに咲いていたのに、今まで何も知らないとは?!


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月ヶ瀬あたりの狩野川を上流に向いてと、下流に向いて撮ったものです。
上の写真の川の先に、有名な高級旅館、天然自家源泉湯宿「嵯峨沢館」があります。HP見るだけでも高級感にひたれますね。


Martin
by martin310 | 2012-11-24 23:17 | とっておきの伊豆 | Comments(0)

河口湖木ノ花美術館とcafe ラ・ポエーム

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河口湖は、河口湖大橋の先の湖北地区に観光施設が集中しています。
なので湖北ビューラインを走っていても、このあたりで観光客の人影が急に増えます。そんな賑わいに誘われて、「河口湖木ノ花美術館」に寄ってみました。
ここは、「猫のダヤン」でおなじみの絵本作家の池田あき子さんの美術館です。
物語の中のタシルの街にあるタシールエニット博物館を模して建てられたそうで、まず目に入った不思議な建物「タシールエニット」。
ここは「わちふぃーるど」に実在する「タシールエニット博物館」の外観をそのまま再現した建物だそうです。

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そして、この美術館の裏、湖畔側にある「cafe ラ・ポエーム」へ。



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オープンテラスの向こうは河口湖。バックは富士山。でもヨーロッパですね。



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館内のcafe。この日は寒かったので、こちらでお茶しました。



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窓辺にあった薔薇も建物とコーディネート。



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ここはどこ?外人さんカップルが妙にフィット。
この方まるで映画俳優のようにハンサムでした。
近くにバカンスで泊まっているよう。
ふたりでレンタサイクルでここまで来て、また帰りに会いました。
手を振ったら答えてくれて、ああ、いい男!ナイスガイだと。



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最後に、やっぱりここは日本。河口湖の富士山です。


by Martin
by martin310 | 2012-11-22 10:31 | 風景探勝 | Comments(6)

美しき風景を求めて vol.2 [脈動する自然シリーズ] 【波】

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YouTubeのオリジナル動画作品の第2弾が完成しました!
新作は、撮影としては2009年の最初の作品、つまり処女作になります。
ビデオカメラを買って、最初に試しに撮りに行った先で遭遇した荒波の海岸の情景です。
真鶴半島(神奈川県)の先端、三ツ石海岸の熱海側に番場浦という荒磯があります。
そこへ降り立ったとき、折からの低気圧の襲来でかなりの大波が打ち寄せていました。ただ、空にはまだ陽が輝き、海面の波の山をキラキラ輝かせていました。
すごい!と喚声をあげ、夢中で撮影体勢で挑んだことを覚えています。
まだ、慣れてもいない機材で、これを撮り逃したら二度とない危機感に、まさに無我夢中で奮闘して撮りあげたものです。
以前のカメラなので画質もあまりよくありませんが、一生のうちでもうこのような機会には恵まれないほど、まさに一期一会の「波」を収めさせてもらったことで、是非、ご覧にいれたいと思いアップロードしました。

観ていただければわかると思いますが、ここまで波自体を凝視し続けたことはないと思いますが、シーンを巡る度に動悸が激しくなるような感覚に襲われるのではないでしょうか。
胸の鼓動が荒くなるほど、何か自然の畏れのようなものを意識が受けて来るように感じます。波の中に自分が翻弄されるような感覚でしょうか。
そして、最後には、もし魂かDNAが古代の自然界の記憶を持っているとしたら、そんな「太古の海」を見ていたような記憶が蘇るかもしれません。
つまり、地球という惑星に生命が誕生し、やがて人間がこの世界へと生まれ出た頃の海・・・、そんな海がこの日にだけ番場浦に再現されたように思いました。


by Martin



by martin310 | 2012-11-22 10:25 | オリジナル動画 | Comments(0)

晩秋の河口湖

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2週間ぶりに山中湖を通過すると、もう紅葉の彩りは終わりを告げ、落葉した裸木の山々になっていました。すっかり冬の様相の準備ができたような景色なのは、道路脇の温度計が6℃を示しているとおり、やはり空気が凛と冷たくなったことが物語っていました。もう、早朝は氷点下を示す日もあるくらいですから。

そんな色のなくなった風景を見ながら、河口湖まで来るとこちらではまだまだ秋の色が健在でした。奥河口湖の道の駅・かつやまあたりの湖畔をとぼとぼ散策しながら撮ったものと、対岸の湖北ビューラインから富士山を撮ったものが以下の画像です。
折りからの午後の陽光に、すべての色が輝いて見え、濃度のある色調の世界が広がっていました。錦秋とはよく云ったもので、まさに錦絵のような秋の終わりの風景でした。


by Martin

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by martin310 | 2012-11-21 09:37 | 風景探勝 | Comments(6)

Martin islandが遂にYouTubeデビュー!


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美しき風景を求めて Vol.1 【湖】のタイトルバック


このblogでは写真画像はお馴染みでしたが、密かに動画世界の入口を模索してきた私は、2009年あたりには多少手を染めていたハイビジョン撮影の映像を再び編集して、一編の動画作品にする制作を進めて来ました。この度、やっと第一作目をYouTubeにアップロードし、完成の運びになりましたでこの場でお知らせ致します。

第一弾は、シンプルなタイトルで「湖」です。
およそ4分半の短い作品ですが、ハイビジョン映像なのでYouTubeのアップロードだけでも時間にして一晩を要します。それほどデータ量は大きいので、こんな短編であっても編集にかかる時間はもとより、動画ファイル化するレンダリングにも30分~1時間をも要します。(PCのスペックにもよりますが)
しかし、動画映像とBGM音楽の組み合わせで創り出せる世界は、また静止画の世界とは別次元のおもしろさがあります。もちろん、最小限の機材しか持ち合わせていないので、およそ稚拙な表現かもしれませんが、それでも写真作品で示した世界の動画版になった気もします。よろしかったらご視聴ください。

撮影地は、箱根の芦ノ湖です。
一般の観光客の行くことのない静かな湖畔の領域で撮った、あまり知られていない箱根の姿を映像に残しました。
風の音や、鳥のさえずりや、さざ波の音など、映像に自然の音を意識的にプラスして、森の緑と光をテーマにまとめました。
また、湖畔の遊歩道は森の精霊の雰囲気を醸し出しているので、それもちょっと幽玄な感じで加味したつもりです。

下の写真は、動画中のシーンをキャプチャーしたものです。

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第2弾は、近々アップ予定の『波』です。
そのあとのシリーズの予定ラインナップは、

・『滝』
・『川』
・『森』
・『雲』
・『雨』
・『雪』
・『春』
・『時雨』
・『砂浜』
・『樹氷』

ざっとこんなところでしょうか。
少なくとも、このシリーズは10作品を完成させたいと思っています。

自分のイメージにあるのは、おそらく自然を描いた「映像詩」を創り出したいのだろうと思います。シリーズを何作品かご覧いただいたとき、言葉にはならない「詩」のような感じをそれぞれの方の意識に残せたら幸いと思っています。

ご存知かと思いますが、一応YouTubeの再生のご説明をしておきます。
この映像は、最大サイズで視聴される場合は、モニタのフル画面でご覧いただけるように高画質でつくってあります。(画面比は16:9で横長ワイドサイズです)
下のYouTubeの小ウインドでも視聴はできますが、できれば「拡大」か「全画面」サイズでご覧いただけたらと思いますので、ウインド下のYouTubeアイコンをクリックすると、YouTubeサイトの別ウインドが開きますので、サイズアイコンの「拡大」か「全画面」を選び、*アイコンで解像度を480pか720p、または1080pでご覧ください。
ただし、回線の転送速度によっては再生が間に合わず、転送待ち状態になることがありますので、そのときは設定を一段下にしてご覧ください。
また、音楽も重要なので、スピーカー(できれば高音質のがいいですね)の音量を大きめにしてゆったりとお聴きください。

尚、この曲は「フリー音楽素材 H/MIX GALLERY」の秋山裕和さんの作品をご使用させていただきました。曲と映像のマッチングは作品の鍵になりますので、この『千年の追憶』という曲とのめぐりあいがこの作品を生んだともいえます。作曲者の秋山裕和さんに感謝です。


それでは、第1作「美しき風景を求めて Vol.1 【湖】」をご視聴ください!





※第2弾の『波』もお楽しみに!

by Martin
by martin310 | 2012-11-20 08:22 | オリジナル動画 | Comments(0)

西伊豆・安良里港

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黄金崎のあと、三島由紀夫が『獣の戯れ』の執筆の為、長期滞在していた安良里の漁村に寄ってみました。
安良里港は懐の深い入り江で、国道から折れた港沿いにはびっしりと身を寄せ合うように集落が固まっています。そのなかの細い道々をゆっくりと超低速で走行しながら、様子を眺めながら奥の方まで行きました。途中、古めかしい旅館が目に入りましたが、そこが執筆の場、宝来屋旅館であるのは、帰ってからネットで調べるまで知りませんでした。なので、残念ながら撮り逃してしまっています。
最も入り江の奥まったところに、大型船が停泊しているおそらく船のドックでしょうか、大きなクレーンのある船の補修をするようなところがありました。
また、湾の中には白く輝く近代船が停泊していました。
普段、なかなか船を写すことなどないので、思わぬ絶好の被写体にやや興奮気味になって夢中で撮っていたようです。船という構造物もなかなか魅力的な形をしていると、あらためて思いました。


by Martin

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by martin310 | 2012-11-17 20:38 | 文学 | Comments(0)

『獣の戯れ』三島由紀夫・・・西伊豆/安良里

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▲宇久須から恋人岬方面を望む

下田以外では、三島さん関連の地がまだ伊豆のなかにあるのかと考えると、以前黄金崎に文学碑があるのを観光地図で見たのを思い出しました。
さっそく調べてみると、昭和36年の小説『獣の戯れ』の舞台だったところが、西伊豆の安良里とこの黄金崎で、しかもその前年の8月、この安良里の旅館・宝来屋でこの作品を執筆したことがわかりました。
富士山が朝からくっきりと見える秋の日に、この地を訪れてみました。
修善寺からR135号線で土肥経由で西伊豆へ向かい、途中、宇久須の手前のトンネルができて廃道になった道に入り、上の写真と下の写真を撮りました。海沿いの脇道は意外にいい撮影ポイントに出くわしたりするもので、国道を一直線なぞとなかなか行かずに、脇道探索もするのです。

『獣の戯れ』については、Wikipediaにあらすじがあります。
この本の挿絵は、なんと東山魁夷さんなんですね。この小説は、主演が若尾文子さんで映画化もされているそうです。(1964 大映)


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▲宇久須から黄金崎方面を望む(先端の2つの岩は田子島)


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▲黄金崎の三島由紀夫文学碑


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▲三島さんの父、平岡梓氏の筆による『獣の戯れ』の中の黄金崎の描写の部分。


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▲文学碑背後の一本松


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▲黄金崎の特徴であるプロピライトの岩(右の岩は馬が水を飲んでいるように見えませんか?)

●黄金崎のプロピライト
(昭和63年指定 県天然記念物)
黄金崎付近の岩石相はプロピライト(変朽安山岩)と呼ばれ、今から約1600万年前に安山岩や安山岩質凝灰岩が、熱水によって変質作用を受けたもので、本来は暗緑色であるが、風化が進み黄褐色となったものである。
黄金崎のプロピライトは、岸壁の長さ92メートル、高さ32メートルと規模が大きく、伊豆半島の生い立ちの特徴や変質風化の状況を典型的に示しており、学術上貴重なものである。(説明板より)

この黄褐色の岩肌に、折からの西日が当たると、まさに黄金色に輝くこちからその名を黄金崎というのかもしれませんね。


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▲黄金崎公園全体に群生するツワブキ


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伊豆でまだこんな素晴しいところに行っていなかったなんて、伊豆は我が庭なぞと思っていた自分にちょっと恥ずかしくなるほど、ここは凄い景観の場所でした。公園はよく整備されていて、階段やデッキもよく出来ています。岩の上から見下ろす海には、誰でも足がすくむでしょう。
三島さんは、船からこの岩肌を見て、先の文学碑にある風景描写をしたようです。
3人の男女の間に生まれた奇妙な愛と共同生活と、その終局への物語りをこの地を舞台に描いたことをふまえて、この小説を読んでみると、きっとよりいっそうリアルな世界として感じ取れるかもしれません。
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by Martin
by martin310 | 2012-11-15 22:00 | 文学 | Comments(2)

作品「時の神話」1998


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作品「時の神話」1998
ウッドパネル:915×910×40ミリ、アクリル・パステル


この作品は、10/31の記事でご紹介した「life and death」(ブルー)の対になるグリーンを主調色にしたペインティング作品です。
これも前作と同様、先にCG合成で作成した下絵画像を拡大模写して描いたものです。

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a0282620_12583016.jpg現在、我が家のリビングの壁面の上部に架けてある為、真正面からの撮影は出来ないのでやや下方からのアングルになってしまいました。これでも、脚立に乗って恐々撮影したのです。カメラは両手を使うので、手放しで高いところに乗るのはさすがに恐怖ですね。ましてや、ファインダーやモニタを見比べたりすると目の焦点が怪しくなり、今にもふらっときそうでヤバかったです。

当時は過去生回帰がテーマだったので、どこかノスタルジックな心象的モチーフの組み合わせになったようです。そこに「詩情」を醸し出すような感じを出したかったと思われます。
気がついてみると、両作ともSLが中心モチーフになっています。静的画面に動きとか音などの連想を生むものを組み込みたかったのと、同時に懐かしさの象徴のようなものを必要としたからだと思います。

同じシリーズに下の「Heart of the soul」というCG作品もあります。
これも、もろブルー系の色調が主体の作品です。
当時はまだ初期のグラフィックソフトでしたが、それでもPCで画像合成が手軽にできるようになり、このようなコラージュ的手法で今まで出来なかった表現が可能になったのを、随分熱狂して創っていたのを思い出します。


by Martin

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by martin310 | 2012-11-14 13:01 | アート | Comments(0)

伊豆の踊子 -2-(恋ごころ)

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        ▲旧天城トンネル

10/19の記事の「伊豆の踊子 -1-(出会い)」の続編です。

主人公の「私」は、一夜の宿を出て天城峠への山道を急ぎます。
それは昨晩見初めてしまった踊子の姿を追って、先に旅立った旅芸人一座の行った街道を朴歯の高下駄で登って行くのでした。
「─あの日が修善寺で今夜が湯ヶ島なら、明日は天城を南に越えて湯ヶ野温泉へ行くのだろう。天城七里の山道できっと追いつけるだろう。そう空想して道を急いで来たのだった」そう告白しています。

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        ▲つづら折りの天城街道

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小説「伊豆の踊子」は短い章で7つに分かれて編んであります。
その第1章が踊子との出会いと、峠の茶屋での至近距離での遭遇が描かれています。
映画のイメージもあってか、この場所のシーンで云えば湯ヶ島から天城トンネルまでのあいだが、もっと長く書かれていると思って読み直してみると、意外なことに物語が始まってすぐに到達しているのがわかりました。頁にして2ページ余りでしょうか。

実際の道のりで云えば、湯ヶ島を後にして、天城峠までのあいだには、浄蓮の滝や滑沢渓谷、太郎杉などの伊豆の名所があります。もちろん、小説では名所案内をする訳ではないので、そこには一切触れられていませんが、ここでは後の方にこの伊豆の名所の写真もご紹介しておきたいと思います。

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▲旧天城トンネル(北側口付近)

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        ▲旧天城トンネル(内部から北側口を見る)

この旧天城トンネルを調べると、次のようにありました。

正式名称を天城山隧道(あまぎさんずいどう)と称し、1904年(明治37年)に完成した。全長445.5メートル。アーチや側面などすべて切り石で建造され、石造道路トンネルとしては、日本に現存する最長のものである。
1998年9月2日に国の登録有形文化財に「旧天城隧道」として登録され、2001年6月15日には「天城山隧道」として道路トンネルとしては初めて国の重要文化財に指定された。また、日本の道100選にも選ばれている。


松本清張の「天城越え」や石川さゆりの名曲「天城越え」の歌詞でもおなじみでしょう。ちなみに「天城越え」の歌詞で歌われている「寒天橋」はトンネルを抜けた先にあります。



踊子と初めて言葉を交わすのは、映画でも有名なシーン、茶屋でのどぎまぎしたふたりのやり取りです。しかし、「私」は座布団を差し出してくれた踊子に、「ありがとう」がのどにひっかかり「ええ・・・・・。」としか云えずじまいでした。
あと、天城峠を越えた下りで一行に追いつき、「冬でも泳げるんですか。」の問いに、踊子は思わず赤くなってうなずくあたりが、ふたりのふれあいの最初でした。

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        ▲梨本付近から湯ヶ野方面を望む

「湯ヶ野までは河津川の渓谷に沿うて三里余りの下りだった。峠を越えてからは、山や空の色までが南国らしく感じられた。」とあるように、天城峠を越え、湯ヶ野までの山を下ると、今までの天城山中独特のいわゆる「陰」の”氣”から、南国的な「陽」の”氣”に変わります。
今の国道414号線でいえば、ちょうど有名なループ橋にかかるあたりからは、その「陽」の”氣”が顕著になり、明るい晴れやかな視界の広がりに南方的な雰囲気を感じるはずです。
その”氣”の変わり目をさすがに川端さんは感じ取り、境界点である天城トンネルの「南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた」と表現しています。

「私」は湯ヶ野の藁屋根の見える梨本あたりの道で、下田までの「旅は道連れ」の同行したい思いを彼らに打ち明けます。
ここからがさらに踊子への思いが高まり、かかわりがより近くなっていくところです。


つづく

by Martin


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▲浄蓮の滝(伊豆最大級の名瀑で、玄武岩の岩肌を幅7m高さ25mに渡り流れ落 ち、「日本の滝100選」にもその名を列ねている)


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▲滑沢渓谷(天城峠の北側、狩野川の支流にあたる深い樹林に包まれた渓谷。急流が安山岩の間を白布となって流れたり、深い淵になっていたりと変化に富んでいる)


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▲太郎杉(樹齢400年以上、高さ53m、幹周りは13.6m。静岡県の天然記念物でもある天城山中最大の杉)


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▲河津七滝の遊歩道にある踊子像
by martin310 | 2012-11-13 14:22 | 文学 | Comments(0)

三島さんの秘密の場所:亜相浜に行く

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10/11の記事(三島さんのアッカンベー事件)の続編として、故三島由紀夫が晩年の毎夏、家族と共に訪れていた伊豆下田のゆかりの場として、今回は吉佐美(きさみ)の亜相浜(あじょうはま)を訪れました。
この小さな浜は、三島さんが生前に家族はもとより、知人や友人(そのなかには演劇関係者や外国人記者も含まれ)と共に海水浴を楽しんだ、当時もっともお気に入りの夏のレジャーの場だったそうです。
ここは下田からいくぶん南伊豆方面へ行ったところで、海水浴客の群れからは逃れられる人があまり来ない砂浜で、まるでプライベートビーチのようにのんびりできる絶好の秘密の場所だったのでしょう。

この日は西伊豆方面からあちこちと立ち寄りながらの行程だったので、昼間の短い今の時季では、もう夕暮れぎりぎりの時間帯に現地へ着きました。
ですが、あらかじめ略地図で調べたふたつのトンネルの間にある浜辺は、どうもあの三島さんが写る写真の浜辺にはとても見えず、結局元に戻って吉佐美大浜の右端の白砂の浜辺へ降り立ちました。
地図で目測していた場所は、砂浜どころか、波にえぐられたのか小石が露出し、しかも波打ち際までが狭く傾斜し、とてもあの三島さんがにんまりご満悦に寝転ぶ海岸風景には見えなかったのです。波の浸食が激しく、また、細かく美しい白砂が運ばれてこなくなったのか、趣がまったく変わっていたので、これは違うと判断して大浜の右隅をそこと思ってしまいました。
帰り着いてから、ネットでいろいろ調べたところ、やはりあの、ここは違うと思った浜辺が目的地の亜相浜だったことがわかりました。でも、距離にしては短いトンネルを隔てた向こうにしか過ぎず、まあ、それでもここでいいではないかと思った次第です。

夕暮れどきの海岸はとても美しく魅力的で、ましてや粒子の細やかな砂の上を歩く感触はえもいわれぬ心地いいものでした。
暮れかかる光を最後の頼りに、幾カットものシーンをカメラに収めて、さあ、帰ろうと防波堤の方へ歩きかかると、連れの者が俄かに砂の上にかがんでしきりに何かをはじめていました。
何をやっているのか、早く帰るぞと、腕を振って合図しても、まだ、戻ろうともしません。ふだんそんなことはない仕草に不思議を感じながら、事の次第を離れてしばし見ていました。

a0282620_15155293.jpg戻って来て両手の中のものを見せたとき、あまりに細かく精妙な貝殻の形に感嘆の声をあげました。
でも、どうして貝など?と問うと、そんな気はなかったのだけれど、なんだかわからないけど、貝を拾わなくちゃとしきりに思い、何してるんだろうと思いながらも貝殻を探していたと・・・。
「はーん、貝を拾って行きなさいよって、そういうことだよ。三島さんが・・・。」

そういえば、この日も多少霊的感受性がある連れは、南伊豆を通過中あたりから異常な眠気に襲われ、せっかくの伊豆半島の先端付近の風景も、うつつの中でぼんやり眺めたに過ぎず、ましてや、この地に近づくにつれ、口の中が乾くとしきりにおかしいと訴えていました。
口の中が異常に乾き、唾液がなくなり、口がくっついてしまい、開かなくなるようだとその症状を伝えていました。
a0282620_15162986.jpgこれも何らかの霊的な影響を受けているなあと判断していましたが、それを三島さんに関連づけて見るのなら・・・、浮かんで来たのは、おそらく、あの自決のときの状態ではないかと・・・、そう思えたのです。
決起を企て市ヶ谷のバルコニーでの演説から自決するまでのあいだ、おそらく水は一適も口にはしていないはずです。死を前にした極度の緊張の中、絶命するまで、口が乾かないはずはないと。
車中からも出ようとしないほどだったのが、この砂浜に足を踏み出したとたんに、もとの元気を取り戻して、今までが嘘のように動き始めたのにも、ああ、解けたんだなと思いました。
そして、贈物の小さな貝殻。
あぐらで腕組みのにんまり顔の三島さんが、きっと声なき声で伝えているなと、暮れ色に沈む砂浜をあとにしました。

三島さんへのレクイエムのような風景が、夜のとばりを待っているような夕暮れでした。


by Martin


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by martin310 | 2012-11-12 15:29 | 文学 | Comments(0)