10月11日の記事「三島さんのアッカンベー事件」と、
11月12日の「三島さんの秘密の場所:亜相浜に行く」の続編になります。
今回は、三島由紀夫が晩年の7年間、毎夏家族で訪れ長期滞在していた下田の東急ホテルを、海沿いの和歌ノ浦遊歩道から遠望したところを撮ってみました。
東急ホテルの前に広がる浜辺は大浦といい、トンネルを隔てた向こうを鍋田浜というそうです。
大浦からその先に見える大きな島のような岩山は赤根島といい、そのあいだの奥まった入り江に
下田海中水族館があります。
大浦からは水族館をまわってぐるっと下田公園の入口まで、和歌ノ浦遊歩道が巡っています。この日、この遊歩道から冷たい強風が吹く中で飛ばされそうになりながら、海からの東急ホテルの威容を撮りました。
季節がらすっかり寒々しい光景ですが、おそらく真夏のギラギラした太陽の下では、この風景はどこかギリシャの神殿を見るような感じになるのではないかと思ったりもしました。反対に丘の上から眺めた海は、遥か濃紺に広がりまるでエーゲ海のようにも見えなくもないと・・・。
そんなところにも、三島さんが好んでこの地へ7年間も通った理由があるのかもしれません。

その後、前回はっきりとはわからなかった吉佐美(きさみ)の亜相浜(あじょうはま)へもう一度行ってみました。
すると予想通り、吉佐美大浜の先のトンネルを越えたところに、あの三島さんが白い砂浜に座った写真の亜相浜がありました。左手から延びる黒い岩も同じです。
ですが、やはり当時の砂浜とは打って変わって、まったくの小石の浜に変貌してしまっていました。残念ながら、あのベージュの砂は小砂利の下にわずかに見えるだけに侵食されていました。
黒い岩の彼方に見える岬は須崎で、先端の島は恵比寿島だと思われます。
吉佐美大浜では、寒風の吹く中、打ち寄せる波をビデオ撮影して来ました。
暮れかかる海景はどことなく寂しげで、編集後見返してみると、憂いをたっぷり秘めた映像に見え、今回の動画作品はかなりムーディーなものになると思えました。
by Martin