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伊豆に住み、八ヶ岳を巡り「空と森と水」の美しい風景を求めて・・・。 自然に包まれて暮らそう!---Martinのフォトエッセイ
by martin310
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「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~


「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20155524.jpg

この写真は、伊豆・修善寺の修禅寺奥の院付近の間道で撮った樹で、あたりの風景の中でこの場だけが異彩を放っていたのでカメラを向けたものだ。すでに何度も記しているように、この日も以前の風景とは違い、目にする森や山や空が妙に物語的と云おうか、文学的と云おうか、まるで古い小説や古典画の世界を彷彿とする感じで輝いていた。
それはひとえに光の降下による時空の変化によってもたらされたものであるのは、もうすでに書いたことで、この日も目をやる至るところで、冬ざれた色彩のトーンの落ちた風景でありながら、実に魅力的な姿を見せていた。

なかでもこの樹は、あたりの光景とは異にして、どこか中世の騎士道の世界のようなロマンティックな物語性に溢れて立っていた。まるで「アーサー王」の世界に登場するような樹だと思いながら、ファインダー越しには、あるイギリスの絵画作品とまるで同じ雰囲気を持っていると感じながらシャッターを切っていた。
作者も流派の名も思い浮かばず、ただ、イメージだけは記憶の底にあった。その以前見たイメージ記憶というものは、作品の具体的な詳細は思い出せねども、構図や色調や雰囲気などはしっかり記憶に残しているものだと思った。

帰って調べてみると、それは「ラファエル前派」の画家、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti, 1828年5月12日-1882年4月10日)の「ベアタ・ベアトリクス」という作品だった。対象は樹でありながらも、ベアトリクスの女性像の傾きや構図の流れが重なって見えていたのだ。しかも、天から柔らかく落ちている微妙な光が実によく似ていた。絵ヅラこそ違えど、これはまさにベアトリクスのメタモルフォーゼだと思った。

「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20183310.jpg
         ベアタ・ベアトリクス 1863年頃 テート・ギャラリー(ロンドン)蔵


Wikipediaで「ロセッティ」を調べてみると、この「ベアタ・ベアトリクス」という作品は、かなりいわくつきの彼の人生を垣間見るような意味が込められていることがわかった。作品中に見える様々な対象物には、すべてに象徴が用いられているのだ。その説明は、ここに詳しくまとめられている。
そして、この描かれた女性はロセッティの妻エリザベス・シダル(リジー)であり、彼は亡き妻の死の悲しみを、ダンテの『新生』でダンテが愛するベアトリーチェの死と対応させて描いたのだ。
ロセッティの妻、エリザベスの死には以下の悲劇があったのを知った。

ロセッティの生涯はエリザベス・シダルとジェーン・バーデンという2人の女性と関連づけて述べられることが多い。この2人の女性とロセッティとの関係は複雑であるが、ロセッティの芸術を語る上で避けて通れない事項でもあり、以下に概略を述べることとする。

エリザベス・シダルは長い婚約期間の後、ロセッティの妻となった女性で、ロセッティの代表作の一つである『ベアタ・ベアトリクス』の、またミレーの代表作『オフィーリア』やハントのモデルも務めた女性である。

一方のジェーン・バーデンは、19世紀イギリスの装飾芸術家・デザイナーとして著名なウィリアム・モリス(1834年-1896年)の妻となった女性であり、『プロセルピナ』をはじめとするロセッティの多くの絵でモデルを務めている。また、101篇からなるソネット集『生命の家 The House of Life』(1871年)にも謳われている。ジェーンはロセッティが終生追い求めた理想の女性であったとされ、男を破滅に追いやる「ファム・ファタル」(femme fatal=運命の女)の一例とされている。

「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20213040.jpgロセッティがジェーン・バーデンに出会ったのは1857年、ウィリアム・モリスらの仲間とともに、アーサー王伝説に登場する王妃グィネヴィアの壁画を制作中の時であった。当初、壁画はエリザベス・シダルをモデルに制作されていたが制作に難航し、気分転換にと出向いたロンドンの下町の劇場で、ロセッティらはやはり観劇に訪れていたジェーンを見出した。当時、ロセッティはエリザベスと婚約していたが、ロセッティとジェーンは互いに惹かれるものがあったようで、以後、ロセッティの作品にはしばしばジェーンがモデルとして登場するようになる。繊細で病気がちな女性だったと言われているエリザベスにとって、ジェーンの存在は激しい心痛の種となった。結局、ジェーンはロセッティの弟子にあたるウィリアム・モリスと結婚し、ロセッティは婚約者のエリザベスと予定どおり結婚した。しかし、これら2組のカップルの結婚生活はともに幸福なものではなく、ロセッティの、人妻になったジェーンに対する思慕は止むことはなかったと言われる。冷え切った夫婦関係や女児の死産に心を痛めたエリザベスは、薬(阿片チンキ、クロラ-ルという鎮痛麻酔剤の一種)に溺れるようになり、結婚2年目のある日、大量の薬を服用して自殺同然の死を遂げた。彼女の死を悼んだロセッティによって描かれたのが、前出の『ベアタ・ベタトリクス』である。ロセッティはその後も絵画制作を続け、世間的な成功は得たものの、人妻への思慕と自分の妻への罪悪感にさいなまれて次第に心身を病み、1872年には自殺を図ったこともあった。晩年は酒と薬に溺れる生活で、不眠症のため真夜中にロウソクの灯りで絵を描いていたという。
ロセッティは1882年、ケント州バーチントン(現在のバーチントン・オン・シー)で失意のうちにブライト病により54歳の生涯を終え、同地に埋葬された。(Wikipediaより抜粋)

さらに、ジェーンについての詳細にこうあるように、ロセッティとモリスのミューズになる如く、生涯類い稀なる魅力を持った女性であったようだ。そこが「ファム・ファタル」と呼ばれる所以のようだ。


なぜにこの日、ここに「ロセッティな樹」があらわれたのかは未だわからないが、これをきっかけにロセッティからジェーンの生涯にまでに辿り着いたことは、とても興味深いことだった。


さらに、同じようにレンズを向ける気を起こす風景というものの中に、以前、どこかで見た絵画作品のイメージの下地記憶がある例を示しておこう。
こちらはフィンセント・ファン・ゴッホの作品のイメージ記憶をもとに画像に収めているようだ。
このあと、同様にゴッホの生涯を改めて調べてみて、十代の頃に知った驚き以上に、歳を重ねてさらにリアルに現実味を帯びて、彼の生涯と作品について感慨を新たにしたことも付け加えておこう。(また新たにゴッホ研究の虫が蠢き始めたようだ)

こうして、汚れを拭われ甦った風景を見つめることで、また新たな識ることへの興味が湧いて来るというのも、天からの光がもたらした新鮮な、時代の贈物なのかもしれない。


「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20225081.jpg



「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20231585.jpg
             ゴッホ「果樹園」(1888)



「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20233550.jpg



「ロセッティな樹」 ~“ベアタ・ベアトリクス”のメタモルフォーゼ~_a0282620_20235064.jpg
          ゴッホ「オリーブ畑」(1889)
by martin310 | 2014-01-24 20:27 | アート
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