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「不食」の次に来るものとは、「無為」という非実現性の世界。だが、それは多次元への入り口でもある。![]() 当ブログの「不食シリーズ」でもおなじみの“山田鷹夫”氏の新刊、『無人島、不食130日』(三五館)が出たのでさっそく読んだ。沖縄の西表島に隣接する無人島「内離島(うちばなりじま)」での130日に及ぶ不食実験の体験記だ。山田氏ならではの奇想天外な発想と実践による、小気味いいほどの現代生活の対極にある環境での、自分の体と人生を張っての実践録だ。毎度思い描いたことを本当にやる、氏の行動力の凄さに驚かされるが、そこで体験から得たものを読むことで、こちら側にもなにものかインパクトを得ることがある。 今回も4ヵ月に及ぶ灼熱の無人島でのたったひとりでの不食実験を完結させたのは当然のこと、そのことは普段からほぼ不食が常態化している山田氏にはさして難しいこともなく不食を愉しめたようだが、今回はその先にあるものの方が俄然興味深かった。 それは、氏もこれに一章を費やして書いているほど今回の体験による得た重要なものとして、―不食の先にある「無為」―ということだ。 これには新刊のリードからしてピンときていた。 “不食の先にある「無為」―仕事がなくてもいい、何もしなくてもいい” 辞書によると「無為」とは、・・・[1]自然のままにして作為しないこと。[2]変わりなく平穏なこと。無事。[3]行為を無駄にすること。なにもしないこと。 そうだ、「なにもしないこと」だ。 ここには、その逆の「なにかしなければならない」「なにかの役に立たねばならない」「実績を残さなければ生きた意味がない」という、勝手で強力な脅迫観念からの最大の開放力がある。 この呪縛に案外縛られて日々を送っている意識者も多いのではないだろうか。知らずしらずにずっとこれらの観念の網が、マインドの自由を奪い、急き立てられる感じや、それに順応できない不足感に、自己抑圧的に苛まれるということもあったように思うのだ。 だが、いったいそんな現世的な実現の有無、功績観、達成感だけが意味あるものだろうか?それこそ、目に見える現実創造だけが自己の目的だろうか? そういう疑念、疑問がずっと燻っていたところに、目に飛び込んで来たのがこの山田氏の言う、「無為」という言葉だった。 無為とは、頭の支配から逃れること。身体の気持ちよさに従うこと。 このあたりは、自分としてもまずは不食に近い生活を送ってみて、つまり少食・微食生活を既に半年以上実践してみたことから実感できるものかもしれない。 食べないことを生活の何割かにあてはめることが日常化して来ると、やがて来たるときが来る「不食生活」も実際、視野に入って来ることになる。いざとなっても、食べなくてもいられる安堵感というものは、想像以上に大きい。 もし、本当に人間の生きる為の必須条件の衣・食・住のうちの「食」が消失すれば、どんなにか地上での生存が楽になり開放されることだろうか。 「住」にしてみても、これも当ブログのシリーズ記事「スモールハウス」で生きればよし。「衣」はもともと最低限しかお金をかけないものなので、自分としてはほとんど問題外だ。 「食」のない人間になることは、自然に三次元からの存在しながらの離脱感が強くなる。つまり、意識の多次元の領域が拡大・拡張して来るのが普通だ。 そうして存在の多次元化が進めば、その先に来るものがこの「無為」を全意識的に許容できる自由だ。究極的には、この三次元を超える不可視領域の意識の広大な世界での実存ということになる。 その世界での自由創造こそ、本来人間があるべき次なる段階なのだと思うのだ。 そのことをはからずも山田氏は、無人島での不食体験の中から得たということだ。おそらく、表現は違えども、氏の意識はこれらのことを知ってのことで、氏独自の実践を通じての記録を書くことで、世に届けているのだろうとも思える。 時代は「ある」こと、「あらねばならない」ことから、「ないこと」、「ないほど豊穣な世界がある」ことに移行してきつつある。そういうことが本来、次元上昇の現実的、実践的変容の道なのではないだろうか。 この今こそが、人間の意識の変容と、肉体の変態のときなのだろう。 ![]() ![]() ※写真は、山梨県・南アルプス街道から早川の景観。
by martin310
| 2014-10-27 13:56
| 日々の思索ノート
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