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我が新幕、Quechua(ケシュア)の「ARPENAZ FAMILY 4.2 ファミリーテント」のことなど。20年前の若き頃にキャンプなる愉しみに触れ始め、その後十数年のブランクがあって、昨今また新たなる復活のようにキャンプ熱が蘇って来た者にとって、現在のキャンプ関連ブランドやそこから出ている数々のキャンプアイテムを見るにつけ、さすがに時の流れとは早く、今や各商品の膨大な数とそのデザイン傾向など、まさに時代の趨勢を強く感じるものだ。 当時からの感覚からいえば、相当グレードの高いレベルが一般化していて、人気アイテムというものもかなり値の張るようなものも多く、そこまで高級志向でなくともいいではないかとも思ったりもする。 特にテントに至っては、かなりブランド意識も高く、ハイランクな幕がどこのキャンプ場に行っても同じように張られているというのが現在だろう。あのブランドカラーとあの形・・・、一見して流行に乗って定番の安定した見栄えのするテントを中心に、タープも同系で揃えるという、まさにトレンドにぴったりはまったキャンプスタイルを踏襲しているのが常態になっている気がする。 そういう風景に、やや倦怠感を持つ元々がへそ曲がり傾向の自分は、ありきたりの物志向に偏屈に抵抗する性分が出て、やはり人とは違う面白さを持ったアイテムに目が向くものである。 そういう意味からテントについても、これからの季節用に何か清新なイメージの未だ知られざるメーカーものなぞがないかと、あちこちのウェッブサイトを徘徊していたのだが、あるときナチュラムのページにQuechua(ケシュア)という初めて見るフランスのアウトドアブランドのテントが紹介されているのを発見して驚いたのだった。 それは珍しく、各紹介画像を見ながら自分が興奮しているのを感じた。これだ!という感覚がどんどん意識を吸引していったのだろう。 「ARPENAZ FAMILY 4.2 ファミリーテント」は、まずは自分好みのカラー、ブルーとグレーのツートンを基調にしていたのと、何よりも全体のデザイン感覚が最もフィットしたものだったからだと思える。 空間レイアウトが今までにあまりないものだったのが、さらに興味をそそった。寝室が左右端に2つあり、その中央にリビングという斬新な構成。このシンメトリーという構造が実にキマっていて、まるで巻貝の内部のような丸みを帯びた全体のフォルムも気に入った要素だ。 しかも、驚くほどの低価格。フランスのメーカーでありながら、どうしてここまでコストダウンが出来るのか不思議なほどだった。(後から知ったのは、製造はMade in Chinaだった) いずれにせよ、見た限りではフランスのデザイン感覚が生きているのはわかり、今まで日本のテントにはない仕組みや設計が随所にあるようだ。 そんな訳で、このテントとの出会いはまさにハートを射られたようで、それほど細部の調べもせず即決購入を決めてしまった。 後からよくよく調べてみると、どうもメッシュ部分が少なく、日本の夏向きとはいえない、むしろ今頃の春向きテントのようだということがわかった。出入り口を全開放してリビングがいわばドームテントの前室のような扱いで、左右の寝室はまた独立して部屋になっているというものだ。 寝室にもベンチレーターはあるが、それほど風が通る感じではないようで、元来がフランスのモンブランの麓の町で興った会社だ(詳しくはこちら)、日本の夏を想定しているはずもない。 そんなところはあっても、実際幕を張ってみると実に広い。中央のリビングスペースでもこんなだ。充分、天候の悪い日にはここでの食事も可能になる。左右に2つある寝室にしても二人でもゆったりだ。我が家では一人ずつ使い、ワンコもその片方にという贅沢な使い方。リビングは夜露に濡れないよう、タープ下からだいじなものたちを移動して収納でき、二人と一匹の仮の宿としては申し分ない広さと便利さだ。 ワンタッチで設営できるポップアップテントで販路を急拡大したメーカーであるだけに、この大きさで骨組みの4本ポールを通して立てるだけで形ができる。ただ正確に立てるにはペグによる固定箇所も多い。あいにく、“道志の森キャンプ場”のサイトの地面は砂利混じりの硬いものだったので、アイアンペグを多様して打って設営したので、かなり時間もかかったが・・・。 アウターで立てて、寝室はインナーを吊るす方式で、中央リビングはグランドシートのみ中に敷くスタイルだ。 出入り口は一方のみで、後ろ側は珍しい透明ビニールの窓が上部にある。家でいえばフィックス窓の感覚だ。明り取り用にあって、後方風景が見えるのもおもしろい。 実際、ここから見えた風景がこれだ。このキャンプ場のシンボリックに架かる木の橋が見える。 テントのリビングルームで片づけをしているとき、いやにワンコが吼えるので辺りに誰かいるのかとこの窓から見上げると、橋の上からこちらを眺めている子供を抱いた若い夫婦がいた。 テントの中から窓越に頭をこくりと下げると、向こうもそうして、どうやら珍しいテントに興味深々だったようだ。 こんなやり取りもキャンプ場ではうれしいものだ。お互いの独自のキャンプスタイルを伺い、新たな刺激を受け、また参考にさらに自分流を深めていく・・・。 キャンプライフにとって自ずと寝る場所―テントの存在は最重要なものだ。これをどんなものにするかで、そのキャンパーの志向性がもろに表われるといってもいいだろう。 空間性に富み、機能性も優位にあり、カラーリングとルックスのデザイン性、それに設営しやすさともちろん、コストパーフォマンスに優れていることは絶対条件だ。自分のようないわば低額指向のキャンプアイテム選びをモットーとしている者にとって、この「ARPENAZ FAMILY 4.2」の価格帯は理想的だ。 ※Quechua(ケシュア)や、商品の詳細についてはこちらのナチュラムのページへ。→Quechua(ケシュア)テント特集/naturum
by martin310
| 2015-05-18 14:25
| ∟道志の森C
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