さて、前回の記事、小淵沢の“ミヨシ・ペレニアルガーデン”の続きはまだある。
ガーデンを散策していると、ショップの方へと目は引き寄せられていく。淡いブルーでペイントされたコンサバトリー風の屋外店舗が見えるからだ。
この色彩の美しさと、温室のような角材の構造物で作られた陳列室が明るく洗練されていて、かなりモダンに見えるからだ。
近くまで来てよく見ると、ほぼパーゴラの組み方のような木組みにガラス窓が入れられ、屋根は半透明なおそらくポロカーボナイトの波板で葺いてあるのではないだろうか。
窓下のテラコッタ風の壁は、おそらくブロックを組んで、モルタルを塗り、エージング塗装している感じだ。
これはD.I.Y 派には、なかなか興味深く、参考にすべき箇所が随所にあり、わくわくする。
D.I.Y やガーデニング系の教則本で見ていた小さな写真の現物をみるようで、花の苗のショップというより、D.I.Y 作品の展示場の感じだ。
だが、しげしげと細かく見て行くと、まさにプロの仕事というのがわかってくる。
このガーデンオブジェは実寸より小振りに作ってあり、いわばサイズは子供用なくらい。
だが、こういう板で作った壁だけのつくりで、ここまでハウス的なものを感じさせるとは、なかなかのアイデア。
一見、ガーデンハウスがあるように見えて来て、ドアと窓とポストと外灯が揃うとまさに家になってしまうようだ。
庭の一角にこんなオブジェがあると、その存在感から庭の様相は一変するだろう。なにも本物の小屋でなくとも、十分目を愉しませてくれるものは実現可能だということが、このオブジェからわかった気がする。これは新しい発見だ。
それと異なる素材の組み合わせがけっこう味を加味し出すこともわかる。壁は縦板にペイントしてあるが、一見、ミルクペイントのようなテクスチャーがある。剥がしや削りで若干、エージング加工風な感じに仕上げてある。
それに、ポストのブリキや、ランタンのアイアン、壷の陶器、そしてアンティークレンガと、にくい演出だ。
寄せ植えのディスプレイには、さすがに完璧なアレンジに目を奪われる。使っている鉢や台座、その置き方のレイアウトについても、まあまさに販売用ディスプレイの真骨頂を地でいっているようだ。
というのは、ちょっと揶揄も込めて、「完璧すぎ」という感じが否めないところがあると・・・。
自分の、ナチュラルさというか、ラフな放置スタイルというか、ちょっとゆるめの姿を好む傾向からは、やや堅苦しく感じるのである。
まあ、それは店舗用と自分ライフ用の大きな違いなのだが、次回の記事の予定の、ガーデンハウスにしても、やはり同じようなプロ的な完璧さが「俺琉とは違う」という感じを露に感じたものだ。
―もう少し、つづきます。―