空模様は、うまい具合に、休みのあいだは雨が落ちない程度に作業可能な状態になった。(夜から朝方にかけては連日小雨が降っていた)
ただし終始どんよりした空から、今にも水滴が落ちてきそうな気配の中、山の上の方からは霧が降りて来るほど、かなりな湿度を覚悟しなければならなかった。
おまけにこの梅雨の時期は、我が家のある地方特有の極小さな虫が体のまわりに寄り集まって来て、たいへん鬱陶しく作業に集中出来ないこともある。名前は判らないが、1ミリもない小さな羽虫で蚊取り線香も効かない。
さて、そんな中、まずは材料の買出しから。
ツーバイ材と角材、それに杉板、それから塗料と金具など。
木材全体の重さから、キャビネットといえども、かなり重量級の家具になりそうな気配だ。ふつうの市販品は、中が空洞の化粧パネルで出来ているので軽量なのに、自作ものは頑丈だがすこぶる重い。まあ、部屋に置いておくものなのだから重さはいいだろう。
一応予定の材料は揃って、午後からさっそく工作に入った。
図面を見ながら、どこから作ろうかと思ったが、これも小屋づくりと一緒の土台からにした。
▲底板に4枚の“1×4”を並べ、台座になる角材で固定した。
画像は、それを裏返しにしたところで、この角材がいわばキャビネットの脚になり、若干中に潜らせた分、仕上がりのスタイリングに拘った形を生むことになる。
▲次はサイドパネル2枚を同様に作って、底板と連結する。
これも“1×4”を4枚並べ、枠で固定。
さらに枠の中に、上下三等分の位置に桟を2本入れた。これは、棚板を固定する為と、サイドパネルの補強に役に立つはずだ。“1×4”のたわみや反りを防ぐ意味がある。
▲2枚の棚板も同様に、“1×4”を4枚使う。
手前と奥の板は、角材の出っ張り分は角を取っている。
この4枚の板は、左右の桟に固定する。
既製品では、大抵がピンに空洞パネルを乗せるだけなのだが、自作流はとにかく固定する毎に強度が増す作り方になる。これも、小屋づくりのツーバイフォー工法に慣れた結果だ。つまり、固定箇所が多くなればなるほど、構造が堅牢になるという工法。
天板をまだつけていないここまででも、かなりがっちりしていて、揺らしてもびくともしない。
小屋じゃないんだからそこまで頑丈でなくてもいいのだが、どうもぐらつくような作りは許せない性分になっている。一種のセルフビルド病かもしれない。(笑)
今回は、一応素人ながら家具を作るということで、材の裁断の精度を高めようと、墨つけとスライド丸ノコのカット位置にはかなり気を使った。つまり引いた線、どんぴしゃに切断面が来るようにとミクロン単位の感覚に。
結果、パネルどうし接合しても寸法の狂いは1ミリに満たなかった。まあ、まずまずの滑り出しかなと。
―つづく―