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18日に九州から東海まで一斉に梅雨明けとなったようだが、ここ伊豆はまだまだもやもやと梅雨の様相が抜けきらないでいる。
伊豆は東海のはしくれ、関東甲信越の方のが近しく、事実上、未だ梅雨は明けず、ただ蒸しむしと気温だけは真夏らしく30℃を超えている。
今までの夏全開の梅雨明け時期の7月20日前後は、真っ青な抜けるような青空と、白い入道雲、ギラギラと灼けるような太陽が、一斉に今までのどんよりした空気を一掃するように照り映えるのに、今年は未だはっきりしないキレのない日が続いている。
そこで、去年の今頃はどうだったのだろうと、画像ストックのフォルダをプレヴューしてみると、こんな夏らしい空が既に広がっていたようだ。
ちょうど去年の今頃、八ヶ岳の北側と西側を巡ったときの写真だ。
この時期の、梅雨から夏空への切り替わりの感じがとても好きだ。
まるで映像のシーンがガラっと変わるように、場面展開が切り替わる。
特に、夥しい明るさの深い底なしの蒼穹に、地から天へと湧き起る巨大な入道雲の白さが映える世界は、なんだかこの世ばなれした違う世界に変わったような気がして、まるで物語の中を行くように、夢心地の嬉しさが湧き起る。
この夏の典型としての世界が、子供の頃からのやすらぎ感とワクワク感を与えてくれる。
陽が傾いて、西日に変わり、視界を埋める雲の量もかなり増えて、森に響く蝉の鳴き声もさらに甲高くなるような午後・・・。
涼やかな風が凪いで、ぴたっと止まり、時間も一緒に静止してしまったような午後・・・。
さらに陽が翳って影が広がり、夕の近づきを感じさせるように蜩の声があがって来る頃、夕立の兆しのような雷鳴が、山の彼方のその向こうで鳴っているような夏の日・・・。
年をいくつも重ねても、やはり子供の頃感じた夏が、この現在に重なって来るようだ。
季節の中でもとりわけ夏という季節が、最も子供の頃の記憶と融和性が高く、時を超えて感性の中ですぐに結びついてゆく。
それだけ童心に帰るタイミングの多い季節なのだろう。
梅雨が明けてもその夏は、まだ一ヶ月以上もあると思うと、なんだか心の余裕が出来るようで、8月がまだ残されているのがありがたい。
そんな気のする今なのだ。
ドラマチックな夏がこれから始まるというのだろうか?