※画像をクリックすると、200%に拡大可能です。是非、大きな画像でどうぞ。我が家の建つ場所は、海から続く広い平地から、いきなり坂が始まり、そこから街を見下ろすように勾配を上げていく山の上にあります。
平坦に広がる田園地帯から見れば、それはまるで急激に隆起したような山地に見え、標高はそれほどでなくとも、小山がまとまった塊のような山並に見えます。
実際、超古代にはこの辺り全体は海底であったらしく、近辺にラクダの瘤のように群立する低山は、かつての海底火山だったそうで、それによれば、現代の我が家は、海上にぽっかり頭を出した小さな火山の頂きのひとつに乗っていることになるのかもしれません。
眼下に見下ろす街の世界は、かつて海の中だったとは、なんとも想像するとSFチックな夢想のイメージが広がるようでとても不思議な感じがします。
そんな海の底だった平野の只中を、今や車で突っ切っているなんて、超古代と現代がダブルイメージになって、そのあいだに横たわる時間の集積といったら、どれほどの地殻変動の歴史がそこに組み込まれているのだろうと、益々想像力を刺激します。
そう考えると、我が家から見えるこの風景でさえ、地球の歴史からしたらつい最近この姿になったに過ぎず、海や山や平野の姿は、かつてからまったく別物が順次変化して、今の様子になって来ていることになります。
何気なく、いつもそこにあると思っているこの風景が、実は多大な奇跡に基づいて作られているのかもしれず、ここに住んでここから眺めるというのは、ある大いなる意志が働いてのことなのではないかと、意味深に考えたくなるほど得難きことのように思うほどです。
森が出来、樹木が繁り、そこに人が点在して暮らすようになり、蒼穹に雲が湧き、陽が照り、空を焼き、壮大な時間の河が流れ、自然は大いなる律動の中にある・・・。
自分たちの暮らしも、その地球上の大いなる自然の営みの中にあり、森の中の目に見えぬ微生物のひとつの如く、ただ黙々と生きてあることの恩恵を感じ、果たすべきことを喜びの中で自然に還していくこと――、そんなことをこの夕暮れの風景を眺めながら感じるのです。
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