桜が散ったあと、新緑が山を覆いはじめて早ひと月…。
緑の絨毯は、まわりの山の頂上辺りも既に新鮮なグリーンに色を変えています。
我が家の庭も、このGWが終わる頃ともなると、一面、緑の葉の群れに覆われ、冬の終わりにあれだけ土が露出していた箇所ばかりだったのに、もうわずかしかなくなっています。
若葉が色を濃くして、緑のグラデーションも深目の色合いに変わり、それに従い、枝は伸び、重なり合い、混み合って、このままでは鬱蒼とし過ぎるきらいがあるので、剪定しながら庭を巡ります。
蔓性のものは、あっと言う間に伸びきって、無秩序なまでに繁茂していきます。
刈った枝葉は、集めればすぐに山になるほどです。
それにしても、この時期の庭は日に日に植物の生長にその全体の姿がどんどん変わっていき、あらためてその早さに驚かされます。
そんな様子を、玄関前のデッキの上にて、欄干に凭れながら眺めるのが好きです。
気がつくと、欄干の縦格子から、わんこの顔も出ていて、同じ方向を見ています。
黙って緑の風に吹かれながら、野鳥の声を耳に、ボーっとそうやってお伴と一緒に見てるときの幸福感…。
向こうからその光景を見たら、さぞかし面白いと想像してクスッとします。
デッキの上と下に顔が…。同じタイミングで右を見て左を見る。
わんことの無言の一体感。

わんこは不思議なことに、このデッキの上からは一歩も外に出ません。
ここまでが家屋の自分のテリトリーと思っているようです。
決して階段に足をかけることもせず、この一線を守っています。
誰も教えていないのに、そう決まりが脳内に書いてあるのでしょう。
きっと、先祖が厳しく躾けられて、その記憶がDNAにコード化されているからかもしれないと思ったりします。
そういうお決まりの行動パターンがいくつもあります。
部屋の中に気配を感ぜず、どこに行ったもかと探すと、大抵このデッキの上で外を眺めています。
太陽をまぶしそうにしながら、目を細めてずっとじっと辺りを見ています。
白内障になるといけないので、おうちに入りなと言うと、中へ入って行って、また窓辺から外を眺めています。
何気に窓からレースの向こうに目をやると、しっかりまん丸の黒目ふたつがこちらを見ていてびっくりすることがあります。
鼻の出っ張りがレースをヒクヒク揺らしています。

木枠で囲ったキッチンガーデンには、ようやく野菜の苗を植えました。
トマトやキュウリやインゲンなどの蔓ものなので、最初から三角の支柱を立ててあります。
道路からの見栄えを気にして、一応、すっきりきれいに一列に並ばせました。葉が茂るまでの景観統一です。
これから、自家野菜の旨さを味わう楽しみが待っています。
色艶も鮮やかに、皆一様に甘さを感じ、さすが我が家のものは一番だと頷くのです。
そう思って、うちのだろうと尋ねて、買って来たものだと当てが外れる場合もときどきあります。
バラの一番花が咲き出したので、これからこの緑の庭ににぎやかな花の色の競演が始まります。